「借りるくる」
早口にそう言って、逃げるように3-2へ。
「はーる!」
名前を呼べば、今まさに着替えようとしていた春と目が合う。
「ジャージ貸して」
「いいよ、ん」
「ありがとう」
貸して貰ったジャージを手に自教室の3-3へ舞い戻る。
「春も甘いよね」
そんな私を見て昴は一人呟く。
「早くしないと置いてくから」
「待ってよ」
急かされるように慌てて着替え始めるけど、昴は優しいから少しくらい遅くても待っててくれるんだ。
昴は同い年なのにお兄ちゃんみたい。
初めて会ったのは中学生の時。
廊下で盛大に転んだのを助けてくれたのが昴だった。
今思えば、水をぶちまけてその上を走り抜けようとした自業自得の事故だったわけだけど。
昴だけが手を差し伸べてくれたんだ。
でもね、「馬鹿なんですか?」って言われたことは一生忘れないと思う。
「昴、行こう」
廊下で待っててくれた昴に声を掛け、集合場所まで雑談。
冬休みどこへ行っただとか、あいつとあの子が付き合ってるとか。
学生らしい会話に花を咲かせる。
早口にそう言って、逃げるように3-2へ。
「はーる!」
名前を呼べば、今まさに着替えようとしていた春と目が合う。
「ジャージ貸して」
「いいよ、ん」
「ありがとう」
貸して貰ったジャージを手に自教室の3-3へ舞い戻る。
「春も甘いよね」
そんな私を見て昴は一人呟く。
「早くしないと置いてくから」
「待ってよ」
急かされるように慌てて着替え始めるけど、昴は優しいから少しくらい遅くても待っててくれるんだ。
昴は同い年なのにお兄ちゃんみたい。
初めて会ったのは中学生の時。
廊下で盛大に転んだのを助けてくれたのが昴だった。
今思えば、水をぶちまけてその上を走り抜けようとした自業自得の事故だったわけだけど。
昴だけが手を差し伸べてくれたんだ。
でもね、「馬鹿なんですか?」って言われたことは一生忘れないと思う。
「昴、行こう」
廊下で待っててくれた昴に声を掛け、集合場所まで雑談。
冬休みどこへ行っただとか、あいつとあの子が付き合ってるとか。
学生らしい会話に花を咲かせる。
