秋風が草木を揺らす。 風が私の声をかき消して、ボールまでさらっていく。 私が蹴ったボールは空に弧を描きながら、緩やかにカーブしてススキの中に消えていく。 「お前は、また…」 カイが呆れながら、ボールが消えていったほうに走っていく。