きっと林君は私にも向けて喋ってるんだと思う。 それが分かっているから、声に反応するように林くんの方を見てしまう。 私が止まりそうになるたびに、気にするなとでも言いたげに、後ろから優しく背中を押してくれる。 その手が、どうしようもなく温かく感じた。 「いいから、テスト受けろって」