「ハル!?どーした?」 ズキズキと痛む頭を抑えながら声の方を見ると、もうそこにはさっきの男の子はいなくて、心配そうに私を見るカイがいた。 「......なんでもない」 私は痛みに耐えながらなんとか答える。 さっきの男の子は誰だったんだろう..... ボールを抱えて走ってくる姿がカイとシンクロして見えたその意味は..... たしかな証拠は何もないけれど、前に私はあの男の子がああやって走ってくるのを見たことがある 記憶としては思い出せないけど、私の感覚がそう言っている。