そらした視線は、ある一点に定まった。 視線の先には寝ているカイがいる。 実夏はカイを見たまま、 「春依のために一生懸命ってこと」 って言った。 実夏は、カイの考えがわかるらしい。 私は何も言えなかった。 「それよりさ、明日の体育、サッカーのテストだってよ」 さっきまでの表情とは一変して苦い顔をする実夏。 「え......」