「何で泣いているか、おじさんたちに話してごらん?」 おじさんたちは私と同じ目線までしゃがんで私を見ている。 その時、初めて泣いていたのは自分だって気づいた。 私は泣きじゃくったまま何も話さない。 いや、話さないんじゃない。 話せないんだ。 この泣いている子が何かを伝えたがっているのは私にも分かる。 でも、泣いているせいと、動揺しているせいでうまく話せない。 私は左手でどこかをまっすぐ指差した。 その先はやはり真っ暗で何も見えない。 .......そこに何があるの?