修司は見とけよって私の頭をグーで軽く小突く。 「いいよなー、修司は。矢宮に勉強教えてもらえるじゃん」 そう言いながら近づいてきたのは、修司と同じサッカー部でクラスメイトの林くんたちだった。 「俺らマジでやべーよ」 「頑張っても30点いかねーもん」 「試合出れねーよ」 みんな口々に不安を漏らしていく。 担任の言葉にリアルに試合欠場の危機を感じたらしい。 それを聞いて修司は「勉強しろよ」って笑っている。