「ダメー!!!」 やっと声が出た時には、目の前にはいつもの景色が広がっていた。 いつもと変わらぬテレビとソファ、テーブルが置かれた家のリビングだった。 ......な、何だったの? 私の全身は強張っていた。 目からは涙が溢れている。 なぜかわからないけど、とても怖かった。 「ハル、お願いだから泣かないで」 私が涙を拭っていると、そんな声が頭の中に響いた。