「な、なんでもないよ...」
明らかに焦った素振りで訂正する私。
ああ、バカ...
これじゃあ、明らかにウソを言ってるようにしか聞こえない。
挙動不審に言い訳をする私の声を
「あっ!春依!!お前、俺との約束忘れんなよ?」
そう言う声が遮った。
声のほうを振り向くと、そこには修司がいた。
タイミング悪...
私はできるだけみんなから表情が見えないように俯いた。
自分では確認できないけれど、多分顔が赤く染まっているから。
やっぱり心の準備ができてないと好きな人の前では平常心を保てない。
「春依?聞いてんのかー?」
修司はいつもの癖でまた私の頭をぐしゃぐしゃにする。
「分かったよ、アプリ入れる」
私はそう言いながら修司の手をどける。