そう言えば君にはちゃっかり元カノという存在がいたようで、その話はだいぶ前に根掘り葉掘り聞いていた。
そのことを思い出して、なぜか胸が痛くなった。
あのときは面白おかしくからかってやろうっていうだけで聞いていたんだ。
だからこそ笑って終わっていた話だけれど。
今思い返せば返すほど、そのとき君はいつもより真面目な顔をしていたような気がして、ますます痛みが増した。
「別に嫌いになって別れたとかじゃないんだ。」
他の会話はうる覚えだけれど。
そう言っていたことはなぜだかよく覚えている。
なんて都合のいい話なんだろう。
その台詞を思い出した瞬間に悟った気持ちには、気づけないふりをした。