「峰くん、また寝ちゃって、、、。」
そう、いつものように休憩時間に話しかけてくれていた。
その頃僕は電子工学にはまっていて周りから変人として見られてきていた。

2月上旬学年末テストが近づく中、何もないかのようにさらっとこんなことを言われた。
「私、引っ越すんだ。」
僕は一瞬間言葉も忘れたかのようにあっけにとられた。
「それ、本気で言ってる?」
嘘であって欲しいと願いながら聞いたがそれは本当だった。
「じゃぁ、俺来年度以降どうしたら良いんだよ!」
そうも叫び嘆いた。
僕には友達も少なくいつも休憩時間には鹿野とその周りに来る女子とよく喋っていた。(そのせいで男子からは快く思われていなかったが。)
「自分でどうかしなw」
と、笑って見せられ僕は心底その日は悲しんだが、鹿野と後一ヶ月しか話せばいと思うと悲しんでもいられなかった。なぜなら、せっかくあと一ヶ月あるのなら楽しめばいいと思ったからだ。
そして修了式。僕はどんよりして出席した。その後鹿野にこう話しかけた。
「今年度はほんとにありがとう。来年いなくなるとか考えられないけれど、またいつかあえるよね。」
「会えたらいいね。」
その会話からはや五年いま隣にいるとは考えられなかった。
列車は高槻を通過した。
風景は山に変わって行く、、、。
と、次の瞬間だった。