冷たい彼の情愛。

 
久しぶりに訪れた縁の部屋は何も変わってなくて。

またここに来れて良かったと私は泣きそうになってしまったんだ。



「……縁」

「ん?」


やさしく抱き締めてくれている縁の胸を軽く押すと、縁は腕の力を少し緩めて顔を見せてくれる。

たったの1週間会っていなかっただけなのに、縁がすぐそばにいてくれるだけで嬉しくて仕方ない。


「……ありがとう。あと、ごめんね」

「何で謝るの。あ、さっきの“咲世のせい”ってのは冗談だよ? 咲世は何も悪くないんだから」

「……ううん。私が悪いの。縁のこと、傷付けちゃったもん。勝手に縁の心を決めつけたりして……あんな傷つけるようなこと言って本当にごめんね……?」

「咲ー世。あーもう、泣くなよ~」


気付けば涙が流れてしまっていて、縁が困ったように笑いながら私の頬を流れる涙を拭ってくれる。

やさしい縁にまた泣けてしまう。


「ごめ……っ、泣くなんて、私、ズルい……っ」

「ズルくなんかないって。でももう大丈夫だから泣かないで? な?」

「~~っ」


ぐずぐずと泣いてしまうと、縁が私を抱き寄せて、落ち着かせるように背中をぽんぽんと撫でてくれる。


「咲世は悪くないよ。咲世が俺のことを考えてくれてること、すごく伝わってきたから。俺の想いが伝わらない悔しさはあったけど、それは咲世に甘えて我慢させてばかりの俺が情けなかっただけの話だから。早くこうしておけば咲世を不安にさせずに済んだのに。ほんと、ごめんな」


縁の言葉に私はふるふると首を横に振る。

縁はどこまでやさしいの……?


「……それに、咲世に言わなきゃいけないことがまだあるんだよね。俺が一番隠したかったことで、咲世を不安にさせた大元の原因」

「……え?」


隠したかったことって、何……?