冷たい彼の情愛。

 

ふと目を覚ます。

目に映るのは煌々とした部屋の明かり。

いけない、寝ちゃってた……。今、何時かな……?

上半身を起こした時、掛けた覚えのないブランケットが私の体にふわりと掛けられていることに気付いた。

そして、私の目にここにいるはずのない人の姿が映った。


「……!」


嘘、いつ来たの……?

ベッドに寄りかかるようにして、縁が床に座り込んで眠っている。

縁も私もお互いの部屋の鍵を持っているから、縁がここにいるのは不思議なことではない。

でも、いつもは前もって部屋に入ることを自然と伝えるようになってるし、さっきの電話では今日は会えないって言ってたのに……どうして?

縁の眠っている後ろ姿を呆然と見ていると、その体がカクンとバランスを崩した。


「!!」

「……っと……あー、寝てた……」


でも縁は倒れることなく、今の衝撃で目を覚ましたようだった。

手の甲で目をくいくいと軽くこする縁のしぐさがかわいくて、私はホッとしながら頬を緩めてしまう。

その瞬間、ふっと縁の顔が私の方を向いた。