あれから、誠が仔猫を、公園で拾って来て「家族の一員」として、飼い初めてから一ヶ月が経ちました。
 もう季節は、夏から秋に変わり初めていました。

 仔猫を公園で拾った時は、まだ周りの木の枝の葉は、緑でした。

 でも、今では公園の木を見ると「紅葉が綺麗」で、楽しむ事の出来る季節に移り変わっていました。

 そして、誠は土曜日の朝、誠と仔猫が出会った公園に、仔猫をペット用のカゴに入れて出掛けました。

 やがて、誠は公園に到着すると一言いいました。

 「あれから、一ヶ月たったのか〜!」と言うと、あの時の「ベンチ」に腰掛けました。

 そして、ペット用のカゴから仔猫を出して、仔猫を抱くと誠はあの時を、懐かしく思っていました。

 何故なら、この「ベンチの下」で仔猫と出会った「大切な所」でもあったからです。

 あの時の仔猫は、震えていて怪我もしていた。