食後のコーヒーを飲みながら、健吾をちらりと盗み見る。

コーヒーの入ったマグカップを持ちながら、テレビのクイズ番組を見ている。

「ねえ、健吾」

「なに」

「……もし健吾に何かあったらさ、……私に一番に相談してよね。」

小学3年生のあの時も、きっと一人で泣き続ける必要なんてなかった。

「私が健吾を守ってあげるから」

私はニッコリと笑って見せた。

健吾は怪訝な顔でこちらを見ている。

「なんだよ、突然」

「いいから!ね!約束‼」

健吾は少し呆れたような表情を見せた後、組んでいた足をおろして体を真っ正面に向けてきた。

「お前……絶対に俺以外の男にそうゆうこと言うなよ。」

「え?…う、うん。」

こちらをジトっとした目で見た後、プイっと横を向いてしまった。

機嫌を損ねてしまったか心配になったが、その耳がほんのり赤いのを見てこっそり笑う。



(照れてる…可愛いかも)

(くっそ不意打ち…心臓痛いかも)