「それに、有名なイビトは確かにこちらの世界で亡くなっているけれど、有名なのは特殊な能力を持っているからであって、その能力をこちらで使われ続けたから.....もしくは、こちらの世界を離れ難い理由を持つ者が多かったしね。

だから、一般人に紛れて生活しているイビトもいると思うけど、さすがに一人一人の生涯の記録が残っているわけでもない。

つまり元の世界へ帰ったイビトが誰もいないとは言い切れないんだよ。」



少し落胆している私を一生懸命に励まそうとしてくれるシンさん。



「イビトはこの世界のあらゆる国に突然現れるけれど、この国でも200年前くらいに1人イビトがいたらしいよ。その人に関することが分かれば、また伝えるね。」