「何?」 無言で見つめられる。 「いや」 そう言っても離してはくれない。 抵抗するのにも疲れて颯に身体を預ける。 サラサラとミルクティーアッシュの髪を透かれる。 暖かい。 人肌をこんなにも恋しがってたなんて。 「杏珠」 初めて名前を呼ばれた。 低く心地の良い声が耳朶に響く。 子守唄のような声に眠くなってきた。 「眠いのか?」 けれど、反応する気にもなれずそのまま夢の世界へ旅立った。