ここにいる子供は皆孤児。

父と母に拾われた身だ。



だけど一人だけ、孤児じゃない子がいた。

それが父と母の実の娘の、キクちゃんだ。


彼女は私より幾つか年下で、背もずっと小さくて、当然普段私達よりも良い服を着ていた。

だけどその事を鼻にかけるような子ではなく、自分より小さい子の面倒をみたり、自分も役に立てないかと、年長者である私や彼の後に引っ付いて仕事を手伝ったりととにかくかわいい子で、私達の人気者だった。






そして、キクちゃんは

ずっとスケくんに恋をしていた。