「ねぇ…もし私が遠くに行くことになったら、あなたはどうするの?」


私がそう問うと、彼はにやりと笑って私の頭を撫でた。


「愚問だな。

……一緒に行くよ、勿論。

知らないうちにいなくなっても、追いかけてやる」


その答えに私は凄く安心した。


ひどい話だ。

危ないかもしれないのに。

そう分かっているのに、追いかけてくれるという彼の言葉に自分勝手に安心するのだ。


「お前はどうなんだ。

俺がいなくなるってなったら……」

「勿論ついていく。

追いかけていくよ。

……一緒にいたいから」


私は間髪いれずにそう答えた。



彼は私をぎゅっと抱き締めた。


「…まぁ…そんなことになる前に、お前連れてここを出るつもりなんだけどな…。

一緒にいたいから」


子供達もいるのに…

それでも彼の将来の予定が凄く嬉しくて、彼を強く抱き締め返した。


「そうしてね。

……ずっと一緒にいたいから」




【End】