「ごめんなさいっっっ!!!」 ―ピピピピピピピ 午前6時にセットした目覚まし時計が7時に鳴った。 3時間ほど前のことを追想しながら、水瀬胡桃(みなせ くるみ)は部長に頭を下げていた。 「水瀬さーん、新人なのに遅刻は駄目でしょ~」 笑いながら部長は許してくれるけれど、他の社員の冷たい目が背中に刺さる。 自分でも遅刻なんて何やってるんだろう。 入社初日なのに、あたしの馬鹿… 「まぁまぁ、明日からは気をつけてね」 「はいっっ」