「私はね。お父さんがいないの。何を今更。って思ってると思うんだけど、お母さんは、私を片親で育ててくれた。結婚もしないで。片思いの恋だし、相手の人。つまり、私のホントのお父さんは今、何をしてるかわかんない。生きてるかどうかも。。
っていう事になってる。」

「てことは、単刀直入に言うともう、死んでるのか?」

「うん。私がまだ、2歳になった時に労働事故だったの。建設業だったし。」

「辛かったんだな。でも、それだけじゃないだろ?なんとなくそういう気がするんだけど。」

「よくわかったね。」

「彼氏の感です。」

「はいはい。で、お父さんと仲よかった。けど、それだけじゃ、自分の殻に入らないよ。お母さんは、私を育てるために仕事を頑張り過ぎて癌を患ってしまった。
その2ヶ月後、お母さんはお父さんの後を追っていってしまった。身内に引き取られたけど、虐待とかいじめとかで苦しくて声でなくなっちゃったんだよね。表情もなくなっちゃったし。人形状態だったの。ある日、また私は違うとこに引き取られたけど、あんまりみんなと親しく馴染めなくて。でも、その時に私は施設に入れられた。カウンセリングとかもいっぱいした。そんな時、今のお母さんが引き取りてになってくれたの。」

「よかったじゃん。」

「まぁ、ね。でも、後で知ったの。お母さんが双子を妊娠してたこと。それに、父親違いの子供がいたことも。その子供に私は、またいじめられた。だから、ここに引っ越してきた。その半年後に紫苑家族が引っ越してきた。女の子ばかりにいじめられてきた記憶なんてすっかり忘れてた。でも、最初の紫苑の印象が女の子でちょっと怖くなっちゃったの。でも、紫苑はみんなとか違った。髪を切ったら、私好みで、恋しちゃったの。紫苑を追いかけても私は、追いつけなかった。でも、私を救ってくれたのは紫苑だった。ちゃんと私を引き上げてくれた。」

バッ!

「え?そ、奏太!」

「辛かったんだな。姫花って一人で抱え込むからダメなんだよ。もっと周りを頼らなきゃ。でも。話してくれてサンキューな。」

「ずっと。ずっと言わなきゃ。って思ってたの。奏太もご両親のことを言ってくれたのに。黙っててごめんね。」

「いいよ。楽になった?どんなことがあっても俺は、姫花のこと好きだから。紫苑が助けたことは気に入らねーけど。でも、感謝だな。」