「陽希、今日…日直だろ?日誌忘れんなよ?俺、この前…忘れて帰ったら担任から怒られたから。」


「はいはい、忠告どうも。」


「じゃあな~」


慌ただしく教室を出て行く誠の後ろ姿を見ながら、溜め息を零した。


そう言えば、日直だっけ。


日誌、面倒だな…。


ペンを片手に、パラパラと日誌のページをめく。


頭の中では、先ほど見ていた夢が再生されていた。


彼女、今…どこに居るんだろ。


同い年か、一つ下ぐらいの年齢だと思うんだよな…。


あの日以降、出会った場所に何度か足を運んでみたりしたけど、彼女に会うことは無かった。。


もしかしたら、同じ場所でまた会えるかもしれない…なんて淡い期待をしていたけれど、実際は…そんなに甘くなかった。


でも、あの出会いを一度きりで終わりにしたくない。


俺は、また…彼女に会いたいんだ…。