「由依、一つだけ…お願いしていい?」


「えっ…」


キスの余韻で少し放心状態な由依の耳元に唇を寄せる。


「素直な由依を見せんのは、俺の前だけにしといて?独り占めしたいから。」


誰にも見られたくないし、見せたくない。


彼女の素顔にドキドキすんのも、癒やされんのも、俺だけでいい。


由依はソワソワしながら、コクンと頷く。


恥ずかしがる彼女を微笑ましく見つめながら、小さな手をギュッと握った。


「ずっとずっと大切にする…。由依は、俺の幸せそのものだから。」


由依がいるから、毎日が輝いてる。


俺が俺らしく居られるんだ。


「ありがとう…。」


由依は、目を潤ませながら声を震わせる。


「陽希、大好き…。」


今日一番のとびきりの笑顔を見せてくれた彼女に、俺もたまらず笑みを浮かべた。





〈触れる素肌、君の素顔〉end.