「…次の方、どうぞ!」


混んでいて、暫く順番待ちの列に並んでいた俺たちだったけど…


やはり、由依と喋っていたら時間なんて、過ぎるのが早い。


気付けば、もう俺たちの番になっていた。


「由依、ウォータースライダーは友達と来た時にやったのか?」


「ううん、混んでいたから恵理子も私も敬遠してたんだ。だから今回が初めて。」


「そっか。俺も初挑戦。」


スタート地点に移動して、二人用のボートに乗り込む。


程なくして出発した俺たち。


水しぶきと頬を撫でる風が気持ちよくて、楽しんでいるうちに、あっという間に終わってしまった。


「直ぐに終わったね…!でも、とっても楽しかった!」


由依は、目をキラキラと輝かせながら、嬉しそうに話す。


ちょっと興奮気味な一面も可愛い。


また、彼女に対する“好き”が膨らむ。


「陽希、一緒に乗ってくれてありがとう!」


お礼の言葉と共に、俺に向けられたのは眩しいくらいの満面の笑顔で…。


俺の心臓が熱く跳ね上がった。