ますます不安になってきた。


「俺、ちょっと……様子を見て来ます。」


居ても立ってもいられず、その場から離れようとした時。


「あ!恵理子ちゃんたち、来たよ。」


先輩の視線の先を見ると、由依たちが歩いて来る姿が映った。


「先輩、遅くなってすみません…。」


俺たちの傍に来た由依の友達と、なぜか友達の後ろに隠れている由依。


「由依?」


どうしたんだろうか…。


不思議に思いながら名前を呼ぶと、由依の友達がクルリと俺たちに背を向けた。


「ほら、由依!恥ずかしがってないで、瀬ノ内君に水着姿、見せてあげなよ!」


「でも、心の準備が…」


「そんなの、しなくても大丈夫!すっごく可愛いから!」


そう言うと、由依の後ろ手に回った友達。


隠れていた由依の姿が目に映った途端、俺の心臓がうるさいぐらい跳ねた。