「そんなこと言われると、ますます見たくなる…!」


「んなことより、勉強の続きやれよ。そんでもって、早く帰れ。」


いつの間にか、話が大いに脱線してたじゃねぇか。


午後は由依が来ることだし、コイツらには、さっさと帰ってもらわないと。


「ったく、冷たいな…ハル。」


「哲也…諦めろ。あまり他の男の目には触れさせたくないぐらい、伊織ちゃんのこと溺愛してんだよ。なっ、陽希?」


「…………。」


まあ、その通りなんだけど。


わざわざ俺に同意を求めんなっての。


拗ねたように口を尖らせる哲也と、ニヤニヤしながら俺を見る誠に冷ややかな視線を向けていた時だった。


「お兄ちゃんっ!!」


バタンッと勢いよく部屋のドアが開いたかと思うと、彩名がニコニコしながら飛び込んできた。


「お勉強はそこまでにしてっ!由依ちゃん、来たよ!」


「えっ!?」


由依が…?