「紛れもない事実だよ。俺、伊織 由依っていう女の子と付き合ってる…。」


「で、でもさ…中学の時に、ハルは女子に興味ないって言ってたよな?恋愛だって、全く関心なかっただろ?」


「まあ、一応…。」


細かい説明するのも照れくさくて、曖昧に言葉を返す。


そんな俺を見ていた誠は、すかさず哲也の肩に手をのせた。


「哲也、俺も…そう思ってた!でも、実際は違ってたんだ。騙されてたんだよ、俺たち。陽希は中学の時から、既に伊織ちゃんが好きだったんだ。」


「えっ、そうなのか!?」


声に抑揚を付けすぎの大げさな二人。


もはや、怒りを通り越して溜め息が零れてしまった。


「騙されてたなんて人聞き悪い。中2の秋までは、本当に女子にも恋愛にも興味なかったんだから。」


由依に出会って、それらがガラリと変わった。


自分でも信じられないぐらいに。


今は、由依と一緒に居られる日常が楽しくて仕方ないからな。