高校二年、春。
私、野原香梨奈―ノハラカリナ―は青城高校2‐Bの中でも
“普通”の人間だった。
適度に友達はいるし、一応恋だってしてる。
ただ、平凡なだけだ。
取り柄と言えるものは、何もない。
「香梨奈、なにぼーっとしてるの?帰ろうよ」
「あ、うん」
この高校で唯一同じ中学から来た林田南―ハヤシダミナミ―と共に今日も下校。
気が付くと、もう教室は茜色に染まっていた。
廊下は、もうシンとしていた。
「早いね、いつの間に長い話終わってたのさ」
「もうかれこれ5分くらい前かな?」
そんなに私はぼーっとしてたんだ……。
外に出れば、体育館からボールのつく音や掛け声が聞こえる。
私たちの目の前を“SEIJO”の文字入りジャージが掛け声とともに走り去る。
「そういえばさ、バスケ部、気合入ってるよね」
「もうすぐ練習試合で赤高来るんでしょ?」
「イケメン早瀬が来るんだよ!」
南が興奮するのもしょうがない。
我が青城高校と対になるように建っている赤城高校。
そことは長年いろんな部活が戦ってきた。
創立が一緒の二つの高校。
戦いたくなるのもわかる。
それに、赤と青って……。
そして特にアツいのがバスケ部。
この地区の二大キャプテンとも言われる二人が
この青城と赤城にいる。
さっき名前が出たのが赤城のキャプテン。
早瀬瞬介―ハヤセシュンスケ―である。
イケメン・高身長・赤高1の頭脳を持ち合わせた
何も言えないやつ。
そして青城が……
「お、香梨奈だ!」
「あ、佐助」
そう、こいつ。
鳴海佐助―ナルミサスケ―だ。
なぜか私に付きまとう、犬。
「あんた、何してんの?赤高との練習試合、近いんでしょ?」
「あーうん。香梨奈の姿見えたから来ちゃった!」
てへっと舌を出す佐助に制裁を。
「チョーップ!」
「いった!?」
「ただのチョップだ。さぁ、戻れ。戻らなかったら狸につき出す」
「え、教頭だとっ!?無理無理無理!!!じゃあな!」
「嵐が去ったね。さ、帰ろ」
「うん」
私、野原香梨奈―ノハラカリナ―は青城高校2‐Bの中でも
“普通”の人間だった。
適度に友達はいるし、一応恋だってしてる。
ただ、平凡なだけだ。
取り柄と言えるものは、何もない。
「香梨奈、なにぼーっとしてるの?帰ろうよ」
「あ、うん」
この高校で唯一同じ中学から来た林田南―ハヤシダミナミ―と共に今日も下校。
気が付くと、もう教室は茜色に染まっていた。
廊下は、もうシンとしていた。
「早いね、いつの間に長い話終わってたのさ」
「もうかれこれ5分くらい前かな?」
そんなに私はぼーっとしてたんだ……。
外に出れば、体育館からボールのつく音や掛け声が聞こえる。
私たちの目の前を“SEIJO”の文字入りジャージが掛け声とともに走り去る。
「そういえばさ、バスケ部、気合入ってるよね」
「もうすぐ練習試合で赤高来るんでしょ?」
「イケメン早瀬が来るんだよ!」
南が興奮するのもしょうがない。
我が青城高校と対になるように建っている赤城高校。
そことは長年いろんな部活が戦ってきた。
創立が一緒の二つの高校。
戦いたくなるのもわかる。
それに、赤と青って……。
そして特にアツいのがバスケ部。
この地区の二大キャプテンとも言われる二人が
この青城と赤城にいる。
さっき名前が出たのが赤城のキャプテン。
早瀬瞬介―ハヤセシュンスケ―である。
イケメン・高身長・赤高1の頭脳を持ち合わせた
何も言えないやつ。
そして青城が……
「お、香梨奈だ!」
「あ、佐助」
そう、こいつ。
鳴海佐助―ナルミサスケ―だ。
なぜか私に付きまとう、犬。
「あんた、何してんの?赤高との練習試合、近いんでしょ?」
「あーうん。香梨奈の姿見えたから来ちゃった!」
てへっと舌を出す佐助に制裁を。
「チョーップ!」
「いった!?」
「ただのチョップだ。さぁ、戻れ。戻らなかったら狸につき出す」
「え、教頭だとっ!?無理無理無理!!!じゃあな!」
「嵐が去ったね。さ、帰ろ」
「うん」

