Mission.N

閉じていた目をそっと開けると、紅い顔の社長が目の前にいた。

「――そんな顔をするな」

社長がそう言って、また口を隠すように手でおおった。

「もっと、君が欲しいと思ってしまうだろう…」

あたしだって、社長が欲しいですよ。

ブロロ…と言う車の音が遠くから聞こえてきた。

もうすぐで、社長の車がここへと到着するみたいだ。

「夏梅」

社長があたしの名前を呼んで、あたしの手を繋いできた。

――あなたと一緒なら、この先の未来も一緒に歩いて行ける自信があるから。

心の中でそう呟いた後、あたしはギュッと社長の手を握り返した。

☆★END☆★