「はっ?」

社長が訳がわからないと言う顔をした。

「あたしは、あなたのものにはなりません…」

何故なら、
「あたしは、お兄ちゃんのものですから…」

「訳がわからないにも程があるぞ。

ああ、そうか。

現実を受け入れたくないと言うことなのか。

だったら何度でも言い聞かせて、君に現実を受け入れさせるまでだ」

「やめてください…!」

それまであごを捕らえていた人差し指を振り払った。

「あたしは絶対に社長のものになりません!

社長はあたしをどうしたいって言うのですか!?

あたしの正体をネタにして脅すくらいなら、バラされた方がずっとマシです!」

強い口調で怒鳴ったあたしを社長が驚いた顔で見つめている。