「優羽ー。まってよー」 そんな甘えたって無駄! 私は怒ってるのよ! 絶対振り向かないんだから。 と思ってすぐに 私の早歩きは追いつかれ、 ぐいっと腕を強く後ろに引っ張られた。 そのまま綾人に後ろから支えられる形になる。 「待てよ」 また耳元でそんな台詞。 顔が熱くなるのが自分でも分かる。 「…離して」 「怒んなって、少しからかっただけだろ」 「…」 「…ごめんな?」 そんな悲しそうに言われたら… 「…しょうがないな」 許しちゃうじゃん。