だって綾人は、中学のときはメガネで、ちょっともっさりしてあかぬけない、


どっちかというと地味な人だったのに。


「…そんなかっこよくなっちゃって…。」


綾人の顔を直視できない。


ずっと下を俯いていると、ニヤリと笑って満足そうに、


「何?俺がかっこいいって?」


私の顔を覗きこんでくる。



な…!


小さい声で言ったつもりだったのに、綾人にはしっかり拾われてた。


この地獄耳…!


「そんなこと言ってないし!勘違いすんなバカ!」


「いてっ」


ばんっと綾人の肩を押し返して、早歩きで学校の方へ歩く。