「誰…?」


平穏なはずだった入学式の朝。


私は硬直していた。


だって、目の前にいる幼馴染みが全くの別人になっているんだもの。


「俺だよ、俺」


俺、俺ってオレオレ詐欺か!


本当に信じられない。


こんなイケメンが綾人だなんて。


ワックスで整えられた髪の毛に、


相変わらず長身の背丈、


少しき崩した制服。


…理想のイケメンじゃないですか。


もしかしたらまだ目が覚めていないのかもと、


目をぱちぱちしたり、一回転してみたりしても、


やっぱり目の前にいる彼はかわらない。