【短】友達から始めましょう



−−−ガラッ

いよいよ、勝負の日。
あたしは教室の扉を勢いよく開ける。

「お、おはよ・・」

あたしは稜太とあやに声をかけた。
稜太とあやはあたしを見ると、
あからさまに驚いたような顔をした。

「ど、どうした・・?その顔と頭・・」

稜太はあたしにそう言った。

「・・やっぱ変?」

あたしは不安げに稜太とあやを見る。
あやはぶんぶんと首を振った。

「すっごい可愛い!」

あやの言葉に自然と笑みがこぼれた。
何だかちょっと恥ずかしいけど
可愛いって言われてすごく嬉しい。

「うん、悪くないと思う」

稜太もそう言ってくれた。


普段あたしはメイクをしないが、
今日は朝から頑張ってきた。
髪も普段ストレートだけど今日は
ていねいに巻いてきた。

鏡で自分の顔を見たとき正直・・
ちょっとだけ驚いた。


女って化けるなあって。


でも何か和希に会うのが
恥ずかしい気もしてきた。


「本当に変じゃない?」

あたしは2人に何度も同じことを尋ねる。
2人は大丈夫、と同じことを繰り返す。