【短】友達から始めましょう



放課後に・・なった。

時間が経つにつれて心拍数が上がってく。
あたしの胸のドキドキは、
告白することに対してのものじゃない。
和希が告白して美雪先輩と
付き合っちゃうんじゃないかな、って
そっちのほうに対してのドキドキ。


「んじゃ行ってくるわ」

時計が4時を指そうとしていた。
和希はゆっくり立ち上がり
あたしたち3人に笑顔を見せる。


あたしは朝からずっと
和希は緊張してないと思ってた。

でも、それは違った。

よく見ると手が微かに震えてる。
和希だって、緊張してる。

和希が教室を出ていった。

あたしは無意識のうちに
和希の背中を追いかけていた。

「和希っ!」

あたしが呼ぶと和希は振り返る。

「・・頑張ってねっ」

あたしは精一杯の笑顔を作った。

「おう!」

和希は元気よく手を振って歩いて行く。


あたし、世界一のお人よしバカ女かも。
好きな人の告白応援するとか・・。


ふと左右に人の気配を感じた。
右には稜太、左にはあやが立っていた。
稜太はあたしの頭をぽんぽんと叩く。

「・・素敵な笑顔だったよ」

あやはあたしに優しく言う。


・・泣きそうになった。