家に帰ってそれから2時間後。
坂瀬くんから借りた本を眺めていた。
本は読み終わった。
だけど、どうすればいいのか。
本の内容は、坂瀬くんが気に入るだけあるなぁと思わせる、とてもいい内容だった。
少年は自分を好きになれない。
劣等感を感じる中で生きていて、書いている小説の中で理想を追い求める。
何度も現実に飲み込まれそうになって、何度も苦悩して。
その中で、自分が好きになれるものを現実から見つけ出す。
この本の感想を言えば、また坂瀬くんは楽しそうに聞いてくれるだろう。
でも、青柳颯太の表情が頭をよぎる。
坂瀬くんのことをすごく思っているようにも見えるし、自分勝手なヤツにも見える。
でも、青柳颯太のあの泣きそうな表情は、なんだったんだろう。
すごく嫌なヤツだとも思うのに、悪いヤツにも思えない。
そして、色々考えた結果、青柳颯太の言葉を思い出した。
『お前らが綺麗だと思うものを、アイツに押し付けないでくれ』
坂瀬くんに押し付ける?
そんなつもりなんてなかった。
坂瀬くんだって、楽しそうに見えた。
でも、もしかしてそれは私の自己満足だったのだろうか。
考えたことがなかったことまで考えて、今までこんな気持ちになったことがないくせに、切なくて、胸の奥が痛くなるような、そんな気持ちになった。
変な病気にでもなったのか。
それとも、世に言う恋ってヤツなのだろうか。
明日、本を返そう。
そして、出来るだけ坂瀬くんに関わらないようにしよう。
坂瀬くんから借りた本を眺めていた。
本は読み終わった。
だけど、どうすればいいのか。
本の内容は、坂瀬くんが気に入るだけあるなぁと思わせる、とてもいい内容だった。
少年は自分を好きになれない。
劣等感を感じる中で生きていて、書いている小説の中で理想を追い求める。
何度も現実に飲み込まれそうになって、何度も苦悩して。
その中で、自分が好きになれるものを現実から見つけ出す。
この本の感想を言えば、また坂瀬くんは楽しそうに聞いてくれるだろう。
でも、青柳颯太の表情が頭をよぎる。
坂瀬くんのことをすごく思っているようにも見えるし、自分勝手なヤツにも見える。
でも、青柳颯太のあの泣きそうな表情は、なんだったんだろう。
すごく嫌なヤツだとも思うのに、悪いヤツにも思えない。
そして、色々考えた結果、青柳颯太の言葉を思い出した。
『お前らが綺麗だと思うものを、アイツに押し付けないでくれ』
坂瀬くんに押し付ける?
そんなつもりなんてなかった。
坂瀬くんだって、楽しそうに見えた。
でも、もしかしてそれは私の自己満足だったのだろうか。
考えたことがなかったことまで考えて、今までこんな気持ちになったことがないくせに、切なくて、胸の奥が痛くなるような、そんな気持ちになった。
変な病気にでもなったのか。
それとも、世に言う恋ってヤツなのだろうか。
明日、本を返そう。
そして、出来るだけ坂瀬くんに関わらないようにしよう。



