世界は案外、君を笑顔にするために必死だったりする。-deadly dull-

「...遊佐」


それからしばらくして、青柳颯太が私の名前を呼んだ。


「何?」

「放課後、ここに来い。天馬、お前は真っ直ぐ帰れ。昨日みたいな妙なことすんじゃねぇぞ」


妙なこと、とは、きっと多目的室に坂瀬くんが現れたことだろう。
坂瀬くんはその場を無理矢理纏めてしまったから。


「...はは、怖いよ颯太。分かった。大人しく帰るよ」


坂瀬くんは困ったように笑った。
翡翠はそんな私達を不思議そうに見ている。

そんな目で見られても、私も分からないことだらけだ。

もしかしたら青柳颯太は、教えてくれるのだろうか。

二人の関係。
この前の放課後に坂瀬くんを殴っていた理由。
そして、どこか不自然な坂瀬くんの言動。

その全ての真相を。


そう期待していた私に青柳颯太が向けた言葉は、衝撃的な言葉だった。