次の日の放課後も、私は坂瀬くんと学校に残っていた。
「ちょっと待ってて」
そう言って坂瀬くんは教室を出て行く。
そして、少しして戻ってきた坂瀬くんは、私の前の席に逆向きに座った。
私は机の上に撮った写真を並べる。
私としては、別に何とも思わない写真。
「この花、水滴でキラキラ光ってる」
「うん。雨上がりに撮ったんだ」
「すげぇ綺麗。あ、この写真は、花火?」
「うん。去年の夏祭りに撮ったの。花火って、すぐに消えちゃうからさ。せめてこの四角の中では、残しておいてもいいんじゃないかと思って」
「...俺、遊佐さんの写真好きだな」
坂瀬くんは穏やかな表情で私の写真を眺める。
「だってさ、遊佐さんが撮ってるものって、その瞬間しか見られないものじゃん?その瞬間ってもう二度とやって来ないけどさ、なんか、遊佐さんの写真は特別に感じる」
「仲良くなったからちょっと贔屓して見えちゃってんのかな?」なんて坂瀬くんが言うから、私は少し嬉しくなった。
坂瀬くんも、仲良くなったと思ってくれているんだ、と。
「また見せてね。...また」
最後に付け足した二文字が、今までと少し違う空気を孕んでいた。
「うん。こんなのでよければいつでも見せるよ」
そういうと坂瀬くんは、少し儚げな表情で微笑んだ。
「ちょっと待ってて」
そう言って坂瀬くんは教室を出て行く。
そして、少しして戻ってきた坂瀬くんは、私の前の席に逆向きに座った。
私は机の上に撮った写真を並べる。
私としては、別に何とも思わない写真。
「この花、水滴でキラキラ光ってる」
「うん。雨上がりに撮ったんだ」
「すげぇ綺麗。あ、この写真は、花火?」
「うん。去年の夏祭りに撮ったの。花火って、すぐに消えちゃうからさ。せめてこの四角の中では、残しておいてもいいんじゃないかと思って」
「...俺、遊佐さんの写真好きだな」
坂瀬くんは穏やかな表情で私の写真を眺める。
「だってさ、遊佐さんが撮ってるものって、その瞬間しか見られないものじゃん?その瞬間ってもう二度とやって来ないけどさ、なんか、遊佐さんの写真は特別に感じる」
「仲良くなったからちょっと贔屓して見えちゃってんのかな?」なんて坂瀬くんが言うから、私は少し嬉しくなった。
坂瀬くんも、仲良くなったと思ってくれているんだ、と。
「また見せてね。...また」
最後に付け足した二文字が、今までと少し違う空気を孕んでいた。
「うん。こんなのでよければいつでも見せるよ」
そういうと坂瀬くんは、少し儚げな表情で微笑んだ。



