学校を抜け出して、街を走り抜ける。

辺りを見回して、何度も名前を叫んだ。


「天馬!」

「天馬ー!」


声が枯れても、肺がおかしくなりそうでも、それでも私達は走り続け、名前を呼び続けた。

そして、少しした後に、青柳颯太の足が止まった。


「どうしたの?」


明らかに、顔色が悪い。

顔面蒼白、とはこの事を言うんだろうなと思った。


「青柳颯太?」


青柳颯太は、顔を強ばらせる。

まるで絶望を味わったような表情に、私は息を飲んだ。


「...かも...ない」

「え?」

「...一つ、心当たりがあるんだよ」


それはきっと、天馬の居場所。


「どこ?どこなの?」

「...もしかしたら、そこにいるかもしれない。でも...それは、最悪のケースだ」