「崩れるぞー!!」
誰かの声とほぼ同時に、会場の天井が半分ほど崩れ落ちた。
同時に中から勢いよく炎が吹き出し、どよめきと悲鳴があがる。
窓ガラスの割れる音もひっきりなしに響く。
「マスコミの方、危ないから下がって!下がって!」
消火活動にあたっている消防士が叫んだ。
「そ……そうだ、春木さんの写真は!」
スライドを作成するために全て持ち出した作品データは会場に置かれたままになっている。
それを思い出した途端、ざあっと血の気が引いた。
「……無理だよ」
春木さんが力無く呟いた。
「もう間に合わない……」

