スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

普段仕事で機材を運び慣れてるとはいえ、この重さはさすがに体力を奪われる。何とか会場に辿りついた時には夕方になっていた。


「春木さん、持ってきました……」

「重っ!頑張ったね」

「何に使うんですか?それ」

「ん?オーナーに考えがあるらしいよ」


なぜか私を見てにんまり笑い、箱を抱え直しながら春木さんは去っていく。

その笑顔の意味がわかったのは、三日後の事だ。