事務所に保管してある作品の全てを持ち出すのは、想像以上に大変だった。


DVDーR、USB、アルバム……


春木さんに指示されたものをかき集め、大きな段ボール箱に無理矢理収めていく。


普段めったに足を踏み入れる事の無い物置の中はごちゃごちゃとしていて、どこに何があるかわからない。
まず目当ての作品たちを探すところから始めなくてはいけなかった。


物が溢れ返る大きな書棚の中を探っていると、A3ほどのサイズの写真パネルが出てきた。
きちんと額縁に入っている。


「ん?」


他にもパネルはたくさんあるのに、これ一枚だけが隔離されているような感じを受ける。


上に乗っている書類の山をどけると
そこに写っていたのは最近見たばかりの女性だった。