スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

打ち合わせを終え事務所に戻る最中も、春木さんと私はまだ個展について話し合っていた。


「メインの写真に何を持ってくるかだな」

「一枚に絞らなくてもいいんじゃないですか。まず何枚か候補選ぶ形で」

「うーん」


街はもうすっかり夜に包まれている。
冬の訪れを感じさせる冷たい空気が頬に染みる。


こうして春木さんと肩を並べて歩くのは久しぶりだ。


それだけの事なのに、
妙にくすぐったい気分になる。


私は足取り軽く、春木さんの背中に着いていく。