「あの、春木さん」
「あん?」
「間違ってますよ。これ」
冷蔵庫の前で栄養ドリンクを流し込んでいた春木さんが顔を上げる。
「どこが」
「どこがって……全部違います。何もかも」
春木さんが私の手からひったくるように図面を奪った。
「まず会場の間取りが違いますよね?ここの部分、なぜか反転しちゃってます。あとメインの部屋の大パネルは六枚なので、ほら。五枚も多い」
私も図面を覗き込み、打ち合わせを思い出しながらひとつひとつ指摘していく。
「それと廊下にも十二枚展示する事になってたはずなんですけど、それも抜けてますよね……?」
「……ほんとだ。」
打ち合わせの内容は毎回漏れなく伝えていたはずだ。
春木さんは呆然と図面に視線を落としたまま呟いた。
「やり直しかよ……マジで?あと二日で?」
いたたまれない気持ちになって
彼の横顔を見上げた。
完璧主義の春木さんがこんな大ミスをするなんて。
よほど忙しいのか、それとも
他の何かで頭がいっぱいなのか。
……ううん、
きっと両方だ。
頭を埋め尽くすものがあるから
無理矢理に仕事に打ち込んでいるんだ。
「あん?」
「間違ってますよ。これ」
冷蔵庫の前で栄養ドリンクを流し込んでいた春木さんが顔を上げる。
「どこが」
「どこがって……全部違います。何もかも」
春木さんが私の手からひったくるように図面を奪った。
「まず会場の間取りが違いますよね?ここの部分、なぜか反転しちゃってます。あとメインの部屋の大パネルは六枚なので、ほら。五枚も多い」
私も図面を覗き込み、打ち合わせを思い出しながらひとつひとつ指摘していく。
「それと廊下にも十二枚展示する事になってたはずなんですけど、それも抜けてますよね……?」
「……ほんとだ。」
打ち合わせの内容は毎回漏れなく伝えていたはずだ。
春木さんは呆然と図面に視線を落としたまま呟いた。
「やり直しかよ……マジで?あと二日で?」
いたたまれない気持ちになって
彼の横顔を見上げた。
完璧主義の春木さんがこんな大ミスをするなんて。
よほど忙しいのか、それとも
他の何かで頭がいっぱいなのか。
……ううん、
きっと両方だ。
頭を埋め尽くすものがあるから
無理矢理に仕事に打ち込んでいるんだ。

