「っ、」
背後から突然ガサリと音が聞こえ、振り返った。
朝もやの中を誰かがこちらへ歩いてくる。
その場から動けずにいると、だんだん近づいてきた人影も俺に気がついて足を止めた。
「はるきさん……」
蚊の鳴くような声で
彼女は俺の名前を呼んだ。
くちゃくちゃの髪の毛に枯れ葉なんか引っかけて、履いているジーパンの裾を擦り切らせて。
おまけに、頬は泥で汚れていた。
「お前……どこから来たんだよ?は?どこ行ってたの?」
彼女の顔と彼女が寝ているはずだった部屋の窓を何度も交互に見てしまう。
やっとそれだけの言葉を絞り出した俺に、ヒナは言った。
「あの、見つけたんです、」
「何を?」
「春木さんのカメラ。」
目の前に泥だらけのカメラバッグが差し出された。
背後から突然ガサリと音が聞こえ、振り返った。
朝もやの中を誰かがこちらへ歩いてくる。
その場から動けずにいると、だんだん近づいてきた人影も俺に気がついて足を止めた。
「はるきさん……」
蚊の鳴くような声で
彼女は俺の名前を呼んだ。
くちゃくちゃの髪の毛に枯れ葉なんか引っかけて、履いているジーパンの裾を擦り切らせて。
おまけに、頬は泥で汚れていた。
「お前……どこから来たんだよ?は?どこ行ってたの?」
彼女の顔と彼女が寝ているはずだった部屋の窓を何度も交互に見てしまう。
やっとそれだけの言葉を絞り出した俺に、ヒナは言った。
「あの、見つけたんです、」
「何を?」
「春木さんのカメラ。」
目の前に泥だらけのカメラバッグが差し出された。

