スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

数日後、毎年一緒に仕事をしているファッションブランドの撮影があった。

フォーマルドレスを売りにしているそのブランドは年に一度、新作ドレスを集めたカタログを制作する。
その撮影を俺が依頼されているのだ。


「おはようございまーす。」

「あ、春木くん来た来た。」


スタジオに到着し荷物を置くやいなや、金髪をショートカットにした女性が近付いてきた。


「矢吹さん、お久しぶりです。今日早いですね」

「元気そうね。でも大変みたいよ?」


矢吹というこの女性は有名なヘアメイクアップアーティストだ。
芸能人のヘアメイクも数多く担当しているため、撮影で顔を合わせる事が度々あった。

俺の母親に近いくらいの年齢だが、いつもはつらつとして若々しい。


「大変って何が?」

「モデルさんがね。来られなくなったみたい」

「え!?」