今、いったい何時なんだろう。


薄く開いた瞳の端に、青くなり始めた空が映る。

浅い眠りを繰り返しているうちに夜が明けたようだ。


無茶な体勢で眠っていたため、体が痛かった。
胸にまだ寝ているヒナを抱いたまま少しだけ腰を伸ばす。

さすがにこのソファで二人が横になるには狭すぎた。
寝返りさえ容易ではない。


「……」


もう見慣れたヒナの寝顔を眺めながら、はだけている毛布をかけ直す。


幾度も使用している仮眠用の毛布は俺と彼女の体にしっくりと馴染んでいるが、今日は素肌に直接触れる起毛がこそばゆかった。


その柔らかで甘酸っぱい感触に、昨夜のヒナの扇情的な表情が思い起こされ
閉じられたままの瞼に思わず口づけた。



外の空気でも吸ってこよう。



体を起こし、無造作に置かれている衣服を順番に身につけ部屋を出た。