スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

「なにこれ?」


それは風景写真家の写真集だった。

吸い寄せられるように手に取りページをめくるうち、掲載されている写真にどんどん引き込まれていった。
周囲の音が何も聞こえないほど夢中になってしまう。


どの写真にも心が強く揺さぶられるのを感じた。
初めての経験に胸が高鳴り、頭がくらくらする。


なぜだろう。

風景を写した写真集なんて、毎日何かしら見ているはずなのに。

どうしてこの本にだけ、こんなに惹かれてしまうんだろう。



「……」



もう一度表紙に目を戻す。
その名前を確認した後、気が付いたら駆けだしていた。