さっきから、何度も名前を呼ばれている。

返事をしなくちゃ。

ゆっくりと、意識が舞い戻る。



「ヒナ。」



右手がじんわりとあたたかい。
誰かと手を繋いでいるのだとわかった。



「ヒナ?」



あぁ、
春木さんだ。


帰ってきたんだ。

もう一度会えたんだ。



「おかえりなさい……」