スローシンクロ 〜恋するカメラ女子〜

「リョウ」


病室を出て廊下を歩いていると、背後から声をかけられた。
変装のつもりなのか、珍しくメガネをかけた岳が走り寄ってくる。


「来てたのか」

「お前、仕事は?」

「時間見つけて抜けてきた。ヒナちゃん、目覚めたか?」

「……いや。」


そうか、と一言だけ呟いた後
岳は重たいため息を吐く。



「……岳。」



目の前に立つ親友を
しっかりと見据え、言った。



「ヒナの事、頼む。」